『アーバンライフ』back number
収録シングル:ヒロイン
一人称:僕
二人称:君
誰といるより、この時間が一番素直になれる。どう思われたっていいから。君も同じでしょ?
『ヘッドライト流れてく
消し忘れたタバコに今更気が付く
甘い物で腹を満たしたような
うざってぇ満腹感で目が覚めて
もう一回夢ん中へ』
肩にかかる寝息と小さな寝言で目が覚める。
灰皿の溝に挟み込んだままのタバコを眺めながら、少しずつ記憶をたぐり寄せていく。
いつまでこんなことやってんだという自己嫌悪。相手に対しての少しの罪悪感。負の感情を煙に溶かすために吸ったタバコ。
いつもの現実逃避。
『触れたいだけ他に何もない
それでもいいって暗黙の上
天国行きの沈黙の中うわずった声で
触れたいだけ深い意味はない
お互い何を望むわけじゃない
始まりのない関係には終わりもない
痛みもない』
本当になんとも思ってない。今日のこの時間が終われば家に帰る。
お互いになんで声をかけたかなんてわからない。多分、利害が一致してそうだったから。
『時間さえ置き去りにして
どっちがどっちの身体か分からなくなるまで
舐め合うべき傷も忘れて
無我夢中で何を探して
何を確かめ合っているんだろう』
相性だけはどうやら合うみたいだね。さっき教えてくれたのは、最近恋人に振られたことと、辞めたいタバコが辞められないこと。まぁもうどうだっていいけど。
お互いに求め合っている今だけが、今の全て。
『身の上話も飾る嘘もここにはいらない
心も必要ないの 嗚呼
知らない事ばっかりだって二人はここにいて
掛け替えの無い毒入りの真実を確かに共有している』
興味の無いオススメされた映画を見たり、タバコの匂いを気にしたり、面倒臭い時に好きだよとかって言ったり、そんなことをしなくていい事が救いだ。
愛以外のもので満たされる事ができることを、僕たちは知っている。
『触れたいだけ他に何もない
それでもいいって暗黙の上
天国行きの沈黙の中うわずった声で
触れたいだけ深い意味はない
お互い何を望むわけじゃない
名前を持たない関係に君はいない
僕もいないんだ』
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男側からのワンナイト曲。
back numberの中ではマイノリティジャンルだと思いますが、個人的にはトップクラスに好きな曲です。
最後の、名前を持たない関係に君はいない、僕もいないんだ、ココが想像できないまま終わってしまいました。
ワンナイトだったら名前なんて無いけど、セフレに昇格しましたよ、お互いに。という意味なんでしょうか。
それとも恋人という名前を持たない関係だから君も僕も心は付いてきてない、だから君も僕もいなくてお互いの欲望だけで繋がっている関係ということでしょうか。
この曲だけ聞くと、男も女性も割り切った関係を望んでいるように聴こえますが、あくまで男性視点の曲になってます。本当は女性からしたら助演女優症(好きな男にセフレ扱いされている女性の気持ちを歌ったback numberの曲)のような気持ちになっているかもしれません。だとしたらめちゃくちゃ切ないですね。だがそれがいい。