『march』back number

収録アルバム:あとのまつり

一人称:僕

二人称:君

 

この関係に終わりはあるのか。僕の意思が弱いだけなのか。

 

『君のこと想って今日はゆっくり眠れます

それが全て 僕の全て

それでいい そのままでいい』

 

今日も2人で出かけたね。普通に待ち合わせして、普通にご飯を食べて、普通に一緒にいるね。僕の求めている時間をくれてありがとう。これ以上は何もいらないよ。

 

『ゆるいカーブの先でこの道は終わるんだよ

助手先の君に今日は言えるだろう

突き放すことも抱きしめることもせず

ふたつのライトは平行に照らす』

 

でも本当はわかってる。この関係を終わらせた方がいいことを。先が見えないこの関係を、終わらせた方がいい。

ただなぜか、君と乗る車の中が、とても居心地がいいんだ。

 

『僕の気持ちが落とし物なら

君の気持ちは忘れ物だね

それでも今も2人がここにいるのは

なんで?』

 

前みたいに想い合うことはできないんだろうね。君の考えてることは、もうあまりわからないけれど、僕に想いがないということは、なんとなくわかるよ。

 

『君のこと想って今日はゆっくり眠れます

それが全て 僕の全て

それでいい そのままでいい

僕のこと笑って今日はゆっくり眠れるかい

それが全てではない

それでいい そのままでいい』

 

僕は今日も君を想っているよ。会えない時ほど想ってしまうよ。

君は、そんな僕のこともわかってそうだね。今も想われていると、わかっているんだろうね。

でも君と離れないでいられるなら、このままでいいと思うよ。

 

『ゆるいカーブの先で

この道は終わるんでしょう?

誰が決めるんだろう

誰か決めるだろ』

 

この関係を終わらせたいけど、僕にはもうできないかもしれない。

 

『揺れる稲穂も 騒がしい虫も

自分の寿命に気がついているのさ

君を家まで送るこの風も』

 

今この世界で、終わりに覚悟を持てていないのは僕だけですか?

 

『君のこと想って今日はゆっくり眠れます

それが全て 僕の全て

それでいい そのままでいい

僕のこと笑って今日はゆっくり眠れるかい

それが全てではない

それでいい そのままでいい

 

そのままがいい』

 

結局僕は弱いままで、君を手放す覚悟を持てないまま。君の1番にはもうなれないのに。

でも自分の手で終わらせるくらいなら、このままがいいと思ってしまうんだよ。

 

『ゆるいカーブの先もこの道は続くんだよ

助手席の君にそっと呟いた』

 

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この歌は解釈が色々とあると思いますが、私はこう感じ取りました。

以前付き合っていたカップルだけど、別れてしまった。別れた後もなぜか会っている。気持ちがあるのは男だけで、女の子は暇潰し程度?

 

僕の気持ちが落とし物なら

→この時の僕の気持ちは『君を好きだった気持ち』というよりかは、『今、君を忘れたい気持ち』なのでは。君を忘れたい気持ちをぶつけたいけど、どこに落としたかわからないから見つけられないよ。という意味にとれる。

 

君の気持ちは忘れ物だね

→この時の君の気持ちは『当日僕を好きだった気持ち』なのでは。忘れ物だから、ある程度忘れた場所も見当つくでしょ?それでも探しに行ってくれないの?という僕の弱さの表れ。

 

お互い真っ直ぐな想いを持っていないのに、なぜまだ一緒にいるの?という風に捉えると、私の好きな感じな歌になっていきます。笑

 

これもまた、少し歳をとって恋愛で傷ついた後の方が、心に沁みてくる歌のように思います。