『then』back number

収録アルバム:逃した魚

一人称:僕

二人称:君

 

君も最初は僕を応援してくれていたよね。でも今はそうじゃない。何が君の心を変えてしまったんだろう。

 

『今も同じ歌声に変わらない感情を乗せて放つ

そのつもり それなのに

何か見つける度に 何か落としてんだろう

変わらぬ毎日が変えたもの』

 

前はこれでも良かったはずなんだ。夢を追いかけて、この声で世界を変えてやるんだって。僕の見た全てを歌声に変えてやるんだって。

でもいつからだろう。焦燥感に駆られるようになったのは。

 

『助手席の窓から君と見上げた

夜空の星が消えていくよ

ひとつ ひとつ 色を失くすように』

 

星を見る君の目はキラキラ輝いている気がしてた。実際のところ、キラキラしていたんだろう、前は。

今はもう違う。君は僕に輝きを見出せていないね。そりゃそうだ、いつまで足掻くんだって、いい大人はそう思うよな。

 

『時は過ぎて 喜びも悲しみも想い出も

君と同じ

逃げるように この腕をすり抜けて』

 

何も感じられない。思い通りにいかない自分に感情が失せていく。歌声に乗せていたはずの感情が失せていく。そんな僕は、君を引き止められるわけもなく。

 

『誰かが笑う度に 誰かが泣いてるんだよ

色を失くしたのは誰でしょう』

 

僕から解放されて安心した?

僕を馬鹿にするお前らも、今、楽しい?

僕が成功した時、どんな顔してくれるんだろうね。

 

『僕が歩いてきた道の全ては

変えることなど出来ないのに

そうか そうだ 変わったのは』

 

間違っていたのかな。いやそんなことはない。

全部正しいとは思えないけど、血肉にはなっているはず。なのになんだこの喪失感は。

そうか、僕が僕を認められていないのか。

 

『助手席の窓から君と見上げた

夜空の星が消えていくよ

ひとつ ひとつ ひとつ

 

助手席の窓から君と見上げた

夜空の星が消えていくよ

空いたシートを弱く照らしながら』

 

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back numberは恋愛の曲が目立ちますが、夢と現実の葛藤を描く曲も多い気がしますね。

これは清水さん自身の経験や感情が元になっていそうですね。

まぁそもそもアルバム名が逃した魚ですからね。いつかビッグになってやるという気概を感じます。

 

この曲も一人称が僕なのですが、俺にしてもいいような気がするロックチューンですね。

 

君と見上げた夜空の星は、夢を追わなければ実現していたのかもしれない未来なのかもしれませんね。

君と結婚して、家族が増えて、ミニバン買って、ディズニー行って。

そんな妄想をしながら、君のいない助手席を見つめるわけです。

 

相変わらず強くなりきれないback numberですね。

 

back number